悪食少女の非日常

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ランピー君とキルが私の家に来てからもう一時間もたちました。

二人は私を見て安心したからと帰ろうたしたけれど、そう簡単に返すわけにもいかないでしょう。
行きが無傷だったとはいえ、帰りもそうとは限らない。

「…さんっ…あの、モールさん…?」

キルの小さな声。どうやら、考え事に夢中で周りの音が聞こえていなかったようですね…。

「どうしました?」

「…あの、さっきの話…、死にたがるって…」

小さく、弱弱しく、尻すぼみなその言葉には恐怖の色が混ざっていた。

「キルはもう此処の住人なんだ。どうせいつか知ることになる。話してやってもいいんじゃないか?」

「それは、しかし…いえ、話すべきですね」

正直、キルに話せば彼女を余計不安にさせてしまう。しかし、ランピー君の言うとおり、いつかは知ることになるでしょう。それなら今話しておいた方が良いのかもしれない。

「キルちゃん、西地区の人たちと私達東地区の人たちは、昔から不死についての意見が分かれていたのです」

「そう、簡単に言えば、生き返るなら楽しく暮らそうぜってやつらが集まったのが東、死んでも生き返るなんて辛いだけだって思ったやつらが集まったのが西というわけだ」

「ランピーさん…辛いって…?」

キルがよくわからないと言う風に首をかしげる。それは仕方ない事なのかもしれないと思いつつ、どこか引っかかるようなもやもやとした気持ちになる。そのもどかしいような感覚に、思わず自らのこぶしを強く握った。

「つまり、何度も生き返ると言うのは痛みを繰り返してしまうと言う事です。そして、彼らはそれを地獄であり、天からの罰だと考えているのです」

「実際、物語じゃそうらしいがな」

ランピーの言葉に静かにうなずく。そう、本当はこれは罰なのだ。
どうしようもない、過ちを繰り返した大小なのだ。
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