悪食少女の非日常

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「貴女は辛い事は好きですか?そうではないでしょう。彼らは死を繰り返すことは拷問のように思うのです。痛みを繰り返す。まさに地獄…そういう事なのです。」

「苦痛が嫌で、人と接触を控えようとするのがそいつらだ。で、逆に俺ら東区はむしろ嬉しがってるんだけどなー」

新聞を畳んで机に置きつつランピー君が言う。どこか呆れたような風にとれてならないその言葉には、“西は頭がおかしい”と言っているのがはっきりとわかる。
それは正しいのか、それとも私たちが間違っているのか。私にはわからない。

「そうなんですか…ありがとうございますです」

驚いたような表情をするキルには、先ほどまでの恐怖や不安は感じられなかった。
怖がらせてしまったかもしれないと少なからず後悔していた。しかしそうではない様子を見て少なからずほっとした。ですがしかし、

それは果たして本当に良い事なのでしょうか?

彼女には、何かが欠けているように思えて仕方がない。

「モール、お前どうかしたのか?」

「いえ、なんでもありません」

考えるのはやめましょう。

そう思った時だった、部屋全体が揺れ始めたのは―――
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