悪食少女の非日常
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「う…ぐっ…なんだってんだっ…兄貴っ、大丈夫か…!?」
「…あ、あぁ。とりあえずは、生きてる」
死んでなかったか。助かった。さすがにこの状況で一人はまずい。
ったく、折角この騒ぎを鎮めるためにどうにか情報収集しようとしたってのにこの様だ。情けないったらありゃしねぇ。
瓦礫の中から這い出す。クソ、中々はいだせない。
兄貴は…あっちか。なんだ、もう外に出てたのか。
「兄貴、例のモノ、手に入ったか?」
「ちゃんとあるぜ、俺が盗り損ねるへますると思ってんのかよ」
…今のはスルーしてやるか。
それにしても、よかった。これがなかったら俺らの決死の覚悟はなんだったんだっての。
「やぁ、また会ったね双子君達。今度は何をしていたのかな?私は家で待機しているように伝えたはずだがね」
「聞いて驚くなよ、俺らは決死の覚悟で政府の極秘ファイルを盗んできたんだぜ」
お、兄貴いつもより強気だな。
「っ!?そんなものがっ…?」
よっしゃ、なんか今日は勝った感あるじゃん。
「ほら、今から読んでやるからちゃんと聞いてな」
「…ちょっと待ってくれ、その話は私の家ですることにしよう。ここは危険だ」
…確かに、また援軍が来ても厄介だ。
「兄貴、そうしようぜ」
「…ちぇっ」
やっぱり兄貴は子供っぽい。仕方ないか。
とりあえず、この場を離れることにしよう。
…あいつの事が気がかりだが、あの様子だと、今探すのは危険だしな。
俺たちは似非ヒーローの家へと移動した。