悪食少女の非日常

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「ギグルスさん、大丈夫…ですか?」

血だらけのキルちゃんだった。
なんで?キルちゃん…なぜ血だらけなの?なぜこんなところにいるの?なぜ、なぜ?

混乱しているうちに私の隣に彼女は降りてきて、そばに座った。
私はそこで体をちゃんと起こして座り直す。

「ギグルスさんが生きてて良かったです。家が壊されてるとこみて、とても心配したです…」

そう言ってはにかむキルちゃんはかわいかった。でも、その言葉を発した口には血が付着している。
なぜだろう、笑う姿はいつもと変わらないのにどこかキルちゃんに対して恐怖心を抱いている自分がいる。

「キルちゃん…どうやって、ここへ来たの?さっきまで兵士みたいな人たち、いたでしょ?どうやって…つかまらずに来た、の」

すこし声が震えてるのがわかる。事実を知るのが怖いんだ。頭の中では、キルちゃんがここにいると言うのはどういうことかくらいわかってる。なぜ真っ赤なのかくらいわかってる。でも、信じたくない。出来れば嘘をついてほしい。

「それについて…話しておかなければならない事があるんです…。今まで、ギグルスさんには黙っていたこともあるのですが…」

聴きたくない。でも聞かないといけない。それが一番つらい。

「兵士は、私が殺しました。私は、人食者、です。私が食い殺したんです」

あぁ、やっぱりそうだったんだ。でも、聴いてみて逆にすっきりしたかもしれない。キルちゃんは、この町の住人なんだ。

「そっか。うん、大変だったね。辛かったね。私は引かないから。元気出して?」

そう言って彼女の頭をなでてあげたのは、彼女の目に涙が浮かんでいたからだ。
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