悪食少女の非日常
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「ギグルス、遅かったじゃない。キルちゃんは見つかったの?」
「実際に顔は見ていないけれど、多分スニフの部屋にいるわ。…ぺチュ、話したい事があるの」
案の定、リビングに戻ってくるとペチュニアはキルちゃんの事を聞いてきた。
正直、話すべきか悩む。だけど、このまま一人で悩んでいても仕方がない。
私がスニフの部屋の前で聞いた事をすべてペチュニアに話した。
「…嘘、キルちゃんを連れていくだなんて…。あの子は逃げてきたんでしょう?命を狙われているのよ!?なんでそれを差し出すような事が出来るの!!}
ヒステリック気味になったペチュニアは私の肩を強くゆする。いつもならすぐにやめるように言うのだけれど、そうやっていうことすら頭に浮かばなかった。
「私、あの子を危険な目に会わせたくない。でもそれだけで嫌だって言ってるわけじゃないの。あの子は…人食者なのよ」
「人食者?どういうことなの」
「私も実際にその場で見てなかったら信じなかったわ。でも、私を助けるために戦って、最終的には敵の肉を食べていた。その後は凄く公開していたけれど、食べていた最中のキルちゃんはまるで獣のように嬉々としていたわ。そんな子を敵しかいないような場所に連れて行ったら今後どう成長していくか分からない…」
トラウマだってできる。人を助けるためという方向に進むならまだいい方だけれど、そうじゃなくなってしまったら。
ただの殺人鬼のようになってしまったら。
とても恐ろしいことを考えていると言うのはわかっているけれど、やっぱりそうなるかもしれないと言う考えが頭の中をぐるぐると廻ってやまない。
「…また、誰か来た見たい」
考えたくない、とペチュニアは思ったのかもしれない。玄関からは距離があって、本当に小さな音しかならなかったであろう扉の開く音に反応して彼女はソファから立ち上がった。
しばらくしてやって来たのは息を荒くしているランピーとモールさんだった。