悪食少女の非日常

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「皆さん、落ち着いて聞いてください。…カドルス、トゥーシー、フレイキーが兵士に拉致されました」

今、モールさんは何て言った?
三人が拉致されたって?

嫌だ、嘘だ…。

「どうして…三人には誰も付いていなかったの!?ねぇ、モールさんどうしてそうなったの!!」

涙が出てくる。声を荒げて、モールさんの肩を強くゆすった。
何時もならそんな手荒な事はしない。しかも年上のモールさんに向かってなんて尚更。だけどそんなこと考えている余裕なんて私には無かった。

「ギグルス、落ちつけ。俺らにも何故その三人に誰も大人がついてなかったのかは知らないんだ。俺らがみたのはすでに捕まったところだった」

「もちろん、私もランピーさんも助けようとしました。しかしそのときの狙いはあくまで埒だったようで、すぐに小型ヘリのような物で逃げていってしまったのです。空に逃げられてしまえば私たちは何も出来ません。くやしながら救助に協力をして頂ける人を探しに来ました」

ランピーに止められてしまった。

落ちつけ?そんなに簡単に言わないで…。

「っ、う、うぅっ…」

涙があふれて来て、耐えきれず私は崩れ落ちるように座り込んで泣きだした。後ろから肩をなでてくれているのは誰だろう。

分からないけれど確認するような余裕はなく、ただひたすら泣いていた。
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