悪食少女の非日常

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キルちゃんはこんなに速かっただろうか。確かに素早いという話は聞いていた。だかこれは私の予想を遥かに越えている。

指輪をとりに家まで行った上で既に周辺から遠く離れているなんて。

「…悲鳴。瓦礫の下か」

微かな悲鳴が耳に入ってきた。くぐもって聞き取りづらい様子からするとそんな所だろう。
キルちゃんの事は心配だが、それだけやっているわけにはいかないだろう。

すぐさま悲鳴の聞こえたあたりへ飛んで行き、瓦礫を撤去していく。

「スプレンデイドさん、あ、ありがとう…!!」

涙目でお礼を言ってきた女性を避難所まで送った。

『ディド、聞こえるか?』

トランシーバーから声が発せられる。この声はリフティか。

「リフティかい?あぁ、聞こえてるよ。キルちゃんならまだ見つかってない。ランピーから聞いた話では家に指輪を置いていたらしい。一度家に行ってみたのだが、指輪は見つからなかった』

どうするべきか。そんな事は分かり切っている。

先程一人いたように、瓦礫に埋もれている人がいないか確認しつつ都市に向かおう。
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