長編

□赤ちゃんdeハプニング!!
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あの後セナは、これ以上他の人に会わないために足早に学校に向かった。




プールに着き着替えて行くと、もうみんな遊んでいてヒル魔はサイドで着替えずパソコンをいじっている。
屋内外にプールがありウォータースライダーや温泉などあるこの施設はデビルバッツメンバーには持ってこいだ。
自分とはいえ赤ちゃんに怪我をさせて痛い思いをさせるのも、今の自分が試合に出られなくなるのも嫌だったので2人で体操を始めた。




「いちにーさんしっごーろくしちはちっ」
「いーおー」
「そうそう上手上手!」




そんな時、大人数の男達が入ってきた。貸し切りじゃないの?と疑問を頭に浮かべながら見ると日本アメフト界のオールスターが集まっていた。




「何であいつらいるんだよ!?」
「知らねぇよ!つかどうやって知ったんだよ!?」




十文字と黒木が疑問に思うのも無理はない。なぜなら水町が他校生に自慢したからだ。しかもメンバーの中に大和までいる。そんな中騒ぎに気づかず体操を続けるセナを、遂に彼らは発見してしまった。そして







ジーザス!!







そう言って祈り始めたのだ。この光景に全員がドン引き。ジーザスの声でやっと気づいたセナは何故こんなにいるのか意味が分からなかった。




「モン太、今日って貸し切りじゃなかったの!?顔見られたら大変だよ〜!」
「安心しろセナ!お前の子供は守るMAーX!!」




"お前の子供"で一気に静まるプール。数秒の沈黙の後、囲まれたセナは逃げることしか頭になかった。




「セナいつ生んだんだ!?」
「くそっ産む時に立ち会えないなんて!」
「辛かっただろうに…。」




口々に勝手なことを言う彼らに周りのみんなが『産んでねぇよ。』とツッコンだ。しかしそんなツッコミも耳には入っておらず、誰との子供かで揉めている。




「僕に似て音楽性に満ちている。間違いなく僕達の愛の結晶だ!」
「あ゛ぁ?んな訳ねぇだろカス!こいつは俺に似てすげー才能持ってんだよ。だから俺のガキだ。」




話が盛り上がってるが言えることはただ1つ。誰のどの要素もあるわけがない。むしろ何故そう思えるのか不思議である。
すると突然大和がセナを庇うように前に立った。何かに耐えているような表情に何事かと、みんなが黙った。そして発した言葉が





これ以上wifeとsonを苦しめないでくれ!!









みんな目が点になった。









「セナ君はみんなに報告したかったんだが上手く出来ず、こんな形でするしかなかったんだ…すまないセナ君、俺が早く報告していれば…!!」




こいつは何を言っているのだろう。と大和以外の全員が初めて同じ気持ちになった。そしてやっと我に還った彼らは異議を申し立てた。




「何がワイフとサンだよ!こっちだって英語喋れる奴いるんだからな!」
「水町、問題はそこじゃねぇよ。」
「英語なら僕も多少は話せ「あんたはすっこんでろ!このギター野郎!!」




もう何について話してるのか分からない。セナは隙を見計らってミニセナを預かっていたモン太から代わり外のプールに逃げた。





「はぁー何か大変なことになったな…みんなと遊びたいけど戻ったらまた言い合いになりそうだし…」
「う?」
「でも折角ヒル魔さんが貸し切ってくれたんだから楽しまなきゃね!」
「あー!」



セナは気を取り直して遊び始めた。海辺をイメージした作りで波もあるプールに早速向かった。
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