ジルオール部屋

□御披露目パニック!!(前編)
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御披露目パニック!!(前編)





『っっっざけんなぁ〜!!』

バイアシオンの南にあるロストール王国の王都ロストールの空に、リューガ家末妹アテナ=リューガの怒鳴り声が竜王の咆哮よろしく響き渡る。原因はその直前に義兄レムオンが放った一声だった。

「今週末、お前の御披露目を兼ねた夜会が離宮で催される。それまでにマナーその他を叩き込んでやるから覚悟しておけ」

因みに今日は水曜日、実質的には後3日しかない。口では義兄に勝てないと判っているアテナは逃亡しようと周りを見渡すが…先刻承知とばかりに窓の前にはメイドが、部屋の扉の方にはセバスチャンが陣取って逃げ道を塞いでいる。とどめに旅仲間にはすでに連絡済みだとまで言われては、如何なアテナと言えども白旗を上げるほか無かった…。





「全く駄目だな…もっと典雅に出来んのか?」

『典雅にったってどーすりゃいいんだよチクショー!!(泣)』

「アテナ様、もう少し力を抜かれてゆっくりとなさればよろしいのですよ」

貴族式の挨拶にはじまり………

「そんなにがっついて食べる令嬢が居るか馬鹿者!!」

「アテナ様、そちらは肉料理用のナイフで御座いますよ。魚料理用はこちらです」

『うぅ…美味いもん食ってるはずなのに食った気にならねぇ…(泣)』

食事のマナーに………

「………コレはまだマシか…」

『体動かすのは得意だかんな♪』

「フフフ、教えがいが御座いますね」

ダンス………

『こ、これでいいで御座いますですか?(汗)』

「丁寧語一つまともに言えんのかお前は!!(頭痛)」

『十年近くこの喋り方しかしてねーんだからしゃーねーだろ(泣)』

「これでよう御座いますか、ですよアテナ様。さぁ、もう一回!!」

言葉使い………etc,etc,………こうして(アテナにとって)地獄の強化合宿はあっという間に過ぎていき…夜会当日の朝が来た……。
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