たっぷりと―――
□参合
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『ところでさ、これから一緒に住むんだし、お互い自己紹介しない?名前わかんないの不便だわ。
んじゃ言い出した私からね。
ご存知かと思うけど、名前は芹澤 紫。
この家の主よ。ちなみに住んでるのは私だけ。』
「え?1人なの?」
『そうよ。1人でのんびりと暮らしてるわ』
「家族は?」
『いないわ』
「悪りぃ事聞いちまったな」
『あー、ごめんなさい、“この家には”いないのよ。離れて暮らしてるって事』
「なんだ、本当にいねぇのかと思ったぜ」
『忙しい人たちだからなかなか会えないけど、両親ともに健在よ。紛らわしい言い方したわ、ごめんなさい』
「いや、いるならいいんだ」
『あと聞きたい事は?』
「俺らの事はどこまで知ってる?」
『神様からは“別次元の奴ら”としか聞いてないわ。
でもちょいちょい出てくる貴方たちの名前は聞いたことあるのよ』