終焉ノ栞
□泡沫レクイエム
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※設定は「水と油の関係性」の続き
教室の中を西日が照らし始め、二人の寄り添った影を映し出した頃、
「そろそろ帰ろうか」
微笑みを浮かべたC太が言った
が、A弥は浮かない顔をしたまま動こうとしない。
「もう少し……こうしてちゃダメかな?」
と、C太の上着を握りしめながら懇願した。
C太は、そんなA弥を愛おしげに見つめながら
「大丈夫、これからはずっと一緒にいられるから……」
と、優しく諭し
軽く触れるだけのキスをした。
「そうだよね
これからもずっと一緒…だよね……」
−−A弥は、まるで自分に言い聞かせるかのように小さくそう繰り返した。