オリジナル

□オーニソガラム「純粋」
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ある晴れた午後

どこからか漂ってくる甘い匂い

懐かしいバターの溶ける匂い

−−幼なじみの彼女からもいつも甘い匂いがしていた


「オーニソガラム!木苺のパイを焼いたから食べましょう」

ふと、我に返る

目の前には焼きたてであろう真っ赤なジャムがたっぷりのパイ

彼女はマーマレードが好きだったが……

「なにを考えてるの?」

「……故郷のことですよ」

「……ふーん、そう」



青年は仕込まれた思惑に気づかない

その真っ赤なジャムの中には、様々な感情が渦巻いているというのに……


それは、白を蝕む悪意

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