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□キンポウゲ「栄誉」
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森の奥の花畑、昔と同じように黄金の花が咲き乱れていた


だが、そこに少年と少女はもう居ない

そこには美しい金の髪をもった女がいた


−−あの人はもう、帰ってはこないだろう


さらなる眩い黄金を……大きな栄誉を求めて旅立った青年の瞳にはもう足元の花など映っていなかったのだから……


この花と同じ色の黄金のバター色の焼き菓子も、もうあの人は口にしないだろう




−−白い英雄と美しい王女の婚礼知らぬ者はいない


金髪の女は馬に跨り王都に向かって駆け出した


懐には小瓶


「イアソン、あなたが私を裏切るというなら、私はメディアになって全てを焼き尽くす!!」


金鳳花、その花は容易に抜いてはいけない、何故ならその茎に毒を持つから……
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