俺様と兄と駄犬
□最悪な兄弟の再会
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『はーやっと終わったー!』
廊下で周りをお構い無しに大声をだす征夜。
その隣では、祐也がガムを噛みながらニコニコしていた。
「だなー!いやー、マジで今日は書類の量多かった!それに、三笠も不機嫌でヤバかった。」
『アイツは絶対怒らせたらヤベーぞ。病むわ、精神的に!』
「確かに!ちょ、リアルに怖くなってきた。」
二人は三笠のブチ切れ時を想像して体を震わせた。
「そーいや、入学式って何時間から?」
『は?五十分からじゃねーの?』
「....マジで?」
『マジだけど......何でそんなこと聞いた?』
「えーとそれは......」
祐也はそれだけ言って、携帯をポケットから取り出し、征夜に画面を向けた。
征夜は、画面を見て絶句した。
『49分......?』
「ヤバくね?」
いつもニコニコしている祐也も、流石に焦りの色を見せていた。
そして、二人は一斉に走り出し......
「『うわぁぁぁぁああ!!!』」
必死の形相で、入学式の始まる体育館へ急いだ。
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