青春讃歌〜桜ノ乙女の追憶〜

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教室の窓際最前列、ひとり静かに本を読んでいた生徒に桜花は笑顔で声をかける。



「かーもったろっ。次、音楽室だぜ!」

「……」



男子生徒の眼鏡の奥の細い目が冷たく輝いた。
机から教科書を取り出し黙って席を立った彼は、教室を出て行く。
無視された桜花はしゅんと彼がいた机の前でかがみ、交差させた両手の上に頭をのせた。



「またやってますぜ、さく」

「そろそろ諦めればいいのにな」





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