ぼやキングとリズム君の日常

□新学期
1ページ/1ページ

今日から新学期。
実は結構ドキドキしてる。
中3になったら橘さんは卒業しちゃったし、またクラス替えだし。

まあ、クラスは気にならない。
どうせそんなに大勢でつるむ訳じゃないから。

せいぜいテニス部員が一人くらいいてくれれば。





…それで、それが神尾だったら。
なんて、考えたりする。

そんなことあるわけないけど。


朝起きて、いきなりそんなことをじっくり考えたもんだから時間は少しやばい。
準備するものもないから大丈夫かな。


後は…
朝御飯食べて制服に着替えれば良いんだ。


部活で何回も学校には行ってるけど、始業式とかで学校行くのは久しぶりだからなんとなく変な感じ。



めんどくさいな、と思いつつも学校を休むわけにはいかないから家を出る。



「深司ー!!っはよー!」
「あ、神尾。」
「おう!今日はクラス替えだな!」
「あぁ…別にどうでも良いけど。」
「えー!?どうでも良いわけないだろ!」
「神尾はどんなクラスでも良いじゃん…」
「良くねーよ!てか深司テンション低っ」
「いつも通りだけど。」
「そんな低かったっけ?」
「春休み中も何回も会ってるだろ…どうせ俺のことなんか覚えてないんだな。良いよ別に…俺影薄いし…俺は神尾にとってその程度の存在なんだよな…」
「あー!!!!悪かったって!!でもさ、深司ってクラス気になんねーの?」
「気にならないでしょ、普通…」
「普通は気になるだろ!」
「クラスの人がどんな人でもほとんど関係ないし…」
「ほんと変わってるよなー。深司って。」
「神尾に言われたくない…じゃあ神尾はどんなクラスが良いとかあるの?」
「そりゃああるよ!」
「ふーん。どうせ杏ちゃんと一緒が良いとかでしょ。」
「ちげーよ!俺は…深司と一緒が良いなあ」
「…へー。」
「反応薄っ」
「だってそんなことわざわざ言うまでもないじゃん。」
「え?」
「俺だって神尾と一緒になりたいよ。」


そう言ったとたん、神尾の顔が真っ赤になる。

わかりやすすぎる反応につい笑みがこぼれてしまう。


「何笑ってんだよう…」


拗ねたみたいに言うから、ちょっといじりたくなってきた。


「別に。神尾が可愛いだけ。」
「んなっ…誰か聞いてたらどうすんだよ!」
「大丈夫でしょ。聞かれてても。」
「はあ!?」
「今さら気にしなくても…とっくに聞かれてるし。悪趣味だよな…朝っぱらから人の会話立ち聞きしてさ。後から笑い者にでもするつもり?」


ちょっとカマをかけたら、不動峰テニス部員が出てきた。

ばつが悪そうな顔をしながらも、みんなにやにやしている。


「お前ら…ずっと聞いてたのか!?」


何にも気づいてなかった神尾はまた顔真っ赤になってる。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ