はたけカカシ。
□疑問
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「そういえばさ、名無しさんちゃんは前の世界で家族とか、恋人とか、いたんじゃないの?」
名無しさんは名前をちゃん付けて呼ばれたことに顔を赤らめた。
しかし、その表情はすぐに暗いものに変わった。
カカシは心の中で、しまった、まだ聞いちゃマズイ段階だったかな、、、と思い、取り繕うように
「話したくなければ無理に言わなくていいからね」
暗い表情を変えない彼女は、諦めるように言った。
「カカシには嘘なんか通用しなそうだから言うよ、、、」
嘘が通用しないというセリフに苦笑しながらカカシは、うん、と呟く。
「引くかもしんないけど」
暗い顔を隠すように下を向いて名無しさんは
ま、本当の事だから仕方ないよね、と少し辛そうに笑顔を作った。
カカシは無理をして笑顔を作った名無しさんに言わなきゃ良かったな、と後悔した。
しかし、自分が聞いたんだしっかり聞かなきゃ、、、
「大丈夫だよ、ちゃんと聞くよ」
少し気を引き締めて彼女の言葉を待った。
そんなカカシを見て名無しさんは泣きそうになるのを必死に堪えてポツポツと話し始めた。