はたけカカシ。

□疑問
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「私ね、子供いるんだぁ、、、その子の事だけが今は気がかりだけど、、、」

無言で驚いているカカシを見て言葉を続ける。

「そう、私一度結婚してるの。別れたけど、、、」

「付き合ってた時から酷かったけど、束縛や暴力、喧嘩のたんびに泣かされてた、、、」

「親に勘当されてまで反対を押し切って結婚したけど、生活は酷いものだった、、、」

「まず嫉妬や束縛。同居してるお兄さんとやっただろ、なんて日常茶飯事だった。外出なんて許されないし、毎日部屋に閉じこもってた。くだらない喧嘩の度にクズだとか死んだ方がいいとか言われながら殴られたり蹴られたりした、、、私は一度だって反論はしなかったし黙って耐えた。ごめんなさいとだけ毎回言っていた」

名無しさんは静かに泣いていたけど、見ない振りをした。

「それは、酷いでショ」

名無しさんは首を振り、続ける。

「私が悪かったの、いい奥さんにはなれなかったし。家事も出来てなかったしね、、、」

「子供が出来ても些細な事でなじられたり怒鳴られたり、言葉の暴力は勿論、体にもいくつも痣が出来てた、、、その頃から1人でいる時間はいつも死にたいって考えるようになって、喧嘩の時も痛みを感じる事がなくなった時期もあったんだ、、、」

「無事に子供が産まれて、私は自分の子だけが生きる理由になっていたんだ、夜泣きする度に文句言われても、蹴られてもこの子だけは守るって耐えた。そんな矢先に元旦那が浮気したんだ」

「その事実を知って私は彼の携帯を調べ上げて彼女の携帯を番号に何度も無言電話をかけた。ある時旦那が出たよ。てめぇ誰だ!ってね」

「疑惑が確信に変わって、私は彼を憎んだ。汚らわしいとさえ感じてた、、、妹の知り合いの友達で浮気相手の高校からフルネーム、全て情報を握った上で私は彼に問い詰めた。最初は彼も否定してたけど、私は全て知ってるしもう怖いものなんてなかった。土下座する彼に水をかけた」

「私もついていくから、別れて来てって言った。そしたら彼は相手に迷惑がかかるからと1人で別れを告げに行ったが、行動は変わらなかった」

「毎朝嘘をついて家を出て行く彼にはもううんざりだった。妹と計画をして実家に逃げ帰ったの」

「家に帰って叱られたけど、私の帰る場所だって感じたんだ」

「その後彼と顔を合わせたのは離婚届に印鑑を押してもらう時だけ。なんか言ってたけど私の耳には届かなかった」

「んで、やっと独りになってとにかく職探しをした。やっと働いた先で告白されたんだ。一年くらい経ってたから付き合った」

「だけどその彼も前の男と一緒だった、、、子供の躾の事で叱られ、怒鳴られたりした。私さぁ、もうその頃おかしくなってたみたいでね、怒鳴られると息があがって喋れなくなってね、何も言わない私に彼がキレて、殴られたりして、でも喧嘩の理由が私の不甲斐なさにあったから、何とかして毎回許してもらってたな、、、彼とは何度も別れては戻って、を繰り返してトータルで四年くらい付き合ってたよ」

「その彼とは、、、?」

「一応まだ付き合ってたよ。でも中身がない付き合いにいつしかなってて、楽しかったけど、先が見えなかったし、彼にはもっといい人がいると思うんだ、ね、カカシもそう思うでしょ?」

悲しそうな瞳と目が合った。

「これはあくまで俺の意見だけど、、、女に手をあげる男はダメだよ、好きなら尚更ね」

名無しさんはうーん、と頭を捻りながら答えた。

「あのね、私は思うんだけど、、、好きだから分かって欲しいし、直してほしいし、聞いてほしいから、怒るんだよ」

カカシは苦笑しながら、だけどね、と言う。

「手はあげたらダメだって。我慢が足りないよ。力でねじ伏せるのは簡単だけど」

「私はとにかくダメな男によく引っかかっちゃうんだ」

てへ、と小さく笑いながら言った。

「ま、忍はそんなことしないからネ」

うん、と頷き、

「つまんない話してごめんね!綱手様に会うの、めっちゃ楽しみ!」
興奮気味に名無しさんは息巻いた。
「そーう?そりゃ良かったね」

早く早く、と早歩きな名無しさんに急かされるようにして火影塔に急いだ。
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