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□*嫉妬*
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ーーーーー『はい、OKっ!!』
スタジオに響き渡るカメラマンの声。
『お疲れ様でーす』
そう言って6人はスタジオを後にした。
V6のメンバー全員、雑誌の撮影で1日中フラッシュを浴びていた。
『目がチカチカするぅ』
三宅が目を擦りながら、隣を歩いてた森田と一緒に楽屋に戻ってきた。
『あのポーズはイケてただろ〜!』
『まぁまぁだったかな?』
井ノ原の言葉に苦笑する長野。
その2人も楽屋に戻ってきた。
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『あれ、岡田と坂本君は?』
30分くらい経つが2人の姿が見当たらない。
三宅は不思議に思って辺りを見渡した。
『お、俺、ちょっとトイレ』
そう言って井ノ原は楽屋を出て行った。
『…分かりやすいなぁ、イノッチは』
長野が溜息をついて呟いた。
その言葉に3人共、コクコクと頷いた。
(どこ行ってんだよ…岡田っ)
井ノ原は楽屋を出て、岡田と坂本の姿を探し始めた。
ーーーーーまさか、な。
嫌な予感が井ノ原の頭をよぎる。
立ち止まった、その時だった。
『無理してたんやろ!』
探し求めてた人の声が聞こえた。
『…っ岡』
『ありがとうな』
《岡田》そう呼ぼうとした。
でもそれは坂本の声にかき消された。
『心配してくれてんだろ、ここ』
そう言って坂本は自分の足を指さす。
『…っ捻ったところを見てたから』
『ありがとうな、岡田』
フワッと岡田に笑いかける坂本。
『…ん』
岡田は照れくさそうに下を向いた。
『そろそろ戻るか、心配させ…』
『何してんだよ』
2人はビックリして声がした方向を見た。
そこにいたのは井ノ原だった。
『イノッチ?』
岡田が驚いた表情で井ノ原を見た。
井ノ原は坂本の足に視線を移した。
『リーダー足、怪我したの?』
坂本の足首には湿布が貼ってあった。
『俺が貼ったんよ、今終わったとこ』
岡田が坂本の腕を持ち、自分の肩に回した。
井ノ原に手伝って欲しいと目で合図すると、直ぐに駆け寄って坂本を抱えてくれた。
『はははっ、わりぃなお前ら』
苦い顔して坂本は礼を言った。
岡田は笑顔でええよ、と返した。
井ノ原はおぅ、と難しい顔をして言った。
そんな表情をした井ノ原に岡田は気付いたが楽屋に向かうまで何も話さなかった。