BOOK1


□unrequited love
1ページ/3ページ

ージェシカー




「このレシピは使えるかも!!」



…私は、今日も、
無邪気に笑う貴女を見てるだけ。


「ジェシカ!ジェシカ!これ食べてみて!」



そう言ってカラフルに彩られた、
さっきまで作っていた料理を差し出された。

「……美味しい。」

「本当っ?!」

「うん。すごく美味しい。」

「良かったぁー!」



…私は貴女の喜んだ笑顔が好き…。


「…ジェシカ?」

「…何?」


声をかけられてドキッとしていると、ユリの手が私のおでこに伸びて来た。


「…ジェシカ、最近疲れてる…。」

「え…?」




確かに最近、仕事が沢山入ってて、休みがなかったのも事実だ。


「私は大丈夫よ。それより…、」

「………?」

「ユリこそ、最近疲れてるわ。」

「…え?そんな事ないよ?」


そんな事あるのよ。
目の下に前までなかったはずの
クマができてるもの。







自分もしんどいくせに、
そうやって人の心配してくれる
貴女が私はたまらなく大好き。



食べ終った食器を取りに来て、
またキッチンへ戻って行くユリを私はずっと見てる。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ