オリジナルlong小説

□Secrets2
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〈沙樹〉

8:50………、

遅い…。


「何かあったのかな…。」

世界がなかなか来ない。
8:30から授業が始まるのに…。



「遅れてごめんなさい。」


後ろから声が聞こえて来て、
慌てて振り向くと世界が居た。

「ううん。大丈夫だよ。
…唇どうしたの?切れてるよ…?」

「…大丈夫。急いでたら転んだだけ。」


そう言うと世界は
席について、
宿題を広げた。

「あ、ここできてるじゃない。」

「でしょ?やっとできたんだ。」


無邪気に笑う世界だけど、
その唇の傷、
転んでできるような傷じゃないよね。


授業を進めて、
授業の終わりを知らす
チャイムが鳴った。


「今日はここまでー」

「はーい。」

「宿題の紙プリントしてくるから、待っててね。」

「了解。」


《ウィィィン…》

本当に大丈夫かな。

あの傷は絶対に転んでできるような場所に出来てない。

しかも頬も少し腫れてた。


…大丈夫なのかしら。


刷り終わり、
世界の所に戻る。


「はい。このページとこのプリントやって来てね。」

「わかったー。」

「………。」

「……?どうしたの?」


聞くべきじゃないかも
しれないけど、

「最近、大丈夫?」

「……え?」


反応が、ぎこちない。

「…その傷、大丈夫?」

腫れ気味の頬に触れると、
ビクッと体を揺らす世界。

「………大丈夫だよ。」

「本当に?」

「うん。大丈夫だよ。」

「…そう。なら、良かった。」

「…沙樹先生こそ
このアザ、どうしたの?」


髪をばれないように
おろしていたのに、
世界は首のアザに気づいていた。


「あぁ…、これは寝ていた時に
ぶつけたみたいで。」

「ふーん…。そうなんだ。」
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