君飼いシリーズ

□いたずら♡ばーじょん
1ページ/3ページ

「エレンを頼む」
「分かった」
「……手ェ出したら、いくらお前でも許さねぇからな」
「エレンの事となると相変わらず異常な執着心を見せるな、リヴァイ」
「何とでも言え」
扉の前で繰り広げられていた押し問答にようやく終止符が打たれ、リヴァイはエルヴィンの部屋を後にする。
「やれやれ、…」
エルヴィンは小さくため息をつくと、デスクに戻り椅子に深く腰を掛けた。
エルヴィンの背中をとてとてと追うように歩き、椅子に座ると同時に自分の足元に身を寄せる小さな少年。
本来人間の耳がついている場所には、倍のサイズはあるネコの耳がついていた。
(少年、というより動物…?いや、この場合は獣人だろうか…)
たまには仕事以外の事を考えるのも悪くない。
「エレン、おいで」
両手をエレンに向けて広げると、少し躊躇いながら幼い両腕を差し出してくる。
リヴァイ以外の人間に触れるのは初めてのようだった。
エルヴィンはエレンを横抱きにして膝の上に乗せる。
緊張を解すように頭を優しく撫でると、エレンは気持ち良さそうに目を瞑った。
「…りばぃは?」
「急な仕事が入り2〜3日は帰って来ない、私が君を預かる事になった」
「そっか…」
「エレン、君がこの部屋で何不自由なく過ごせるように努力しよう…困った事があったら何でも言うんだよ」
にっこりと微笑むエルヴィンに対し、エレンは思わず頬を赤らめる。
リヴァイから毎日のようにエルヴィンの話を聞かされてはいたが、実際間近で見る穏やかで優しい表情や紳士的な振る舞い、包容力のある温かい腕はリヴァイとはまた違う安心感があった。
(りばぃといるみたい、…なんか、…ドキドキする…)
一目惚れとはまさにこの事である。
「俺、りばぃが好きだけど、えるも好きだ」
突然の告白に、エルヴィンは目を丸くする。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ