君飼いシリーズ

□Toy♡ばーじょん
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「久しぶりー!」
ソファ越しに背後から抱きついてエレンは嬉しそうにリヴァイの頬に顔をすり寄せる。
「兄ちゃん会いたかったぁ♡」
「毎日顔合わせてるだろ。」
「だってお泊りは久々なんだもーん。」
「ん?なぜネコ耳としっぽをつけてる。」
リヴァイはケータイを自撮りにして背後にいるエレンを連写する。
「兄ちゃんが好きだと思って。」
「オイオイ…。」
苦い顔をしつつもしっかり画像を保存してからエレンの腕を離すと、リヴァイはソファから立ち上がり対面キッチンへと向かう。
「コーラ飲みたい。」
「紅茶ならある。」
「またぁ?」
エレンの家族とリヴァイはマンションの部屋が隣同士のご近所付き合いをしており、両親が定期的に海外出張をするエレンを1人暮らしのリヴァイが預かることが定番になっていた。
「兄ちゃん何でゲームしないの?1ヶ月すげぇ暇なんだけど。あとで家からゲーム機と漫画とトランプと人生ゲームとそれから…」
「夜寝るのが怖かったらぬいぐるみ持ってこいよ。」
「子ども扱いすんな!」
ぷんぷん怒りながら寝室に荷物を置きに行ったエレンが、扉や引き出しを開けて部屋を探索する音が聞こえてくる。
暫くして探索の音が止まったかと思うと、入れ替わるように部屋中に響き渡るほどのエレンの叫び声が聞こえてくる。
「わああ〜何だこれ!」
(ガキはすぐ叫ぶ…。)
リヴァイはアイスとホットの紅茶を乗せたトレーをリビングの机に置くと、やれやれとため息をつきながら寝室へと向かった。
「っ…!?」
エレンが両手の上に乗せ、さらにいくつか床に転がり落ちている『あるモノ』を目の当たりにしてリヴァイは顔面蒼白になる。
きょとんとした表情でこちらを見つめるエレンに慌てて詰め寄り、リヴァイは『あるモノ』を取り上げようとした。
「エレン、勝手に引き出しを開けるな。」
「ねぇねぇ。もしかしてこの中にモンスター入ってる?」
「は?」
キラキラとした瞳で訪ねてくるエレンの言葉の意味を理解出来ずリヴァイは一瞬ぽかんとする。
すぐに先ほどのゲームが頭をよぎり、改めて『あるモノ』を見てみると、タマゴ型の白いプラスチックケース(大人の手ほどのサイズ)はシンプルかつ洗練されたフォルムをしており、子どものエレンから見ればオモチャと同等だった。
(さすがに中身は分かんねぇか。)
ほっと胸を撫で下ろし、床に座り込むエレンの横にリヴァイも腰を下ろした。
「ボールからモンスターが出てくるゲーム今でも流行ってるのか?」
エレンは床に転がったタマゴを拾いながらリヴァイの質問に嬉々として答える。
「うん、こないだ新作が発売されて友達みんな持ってるよ。これはタマゴの形だからちょっと違うけどすげーカッコイイ!」
「ふ〜ん。」
質問した答えを話し半分で聞き流し、リヴァイはエレンとタマゴをどうやって切り離そうか考えていた。
すると、エレンがスッとリヴァイの胡坐の上に座り尻尾を振って甘えたような猫なで声で話かけてきた。
「お兄ちゃ〜んこれ欲しいな〜。」
「!」
「いっぱいあるし1個ちょ〜だい。」
太腿の上にタマゴを置き、両手をリヴァイの頬に添えてチュッとリップ音を立ててエレンはリヴァイの頬にキスをする。
オモチャを欲しがる一生懸命な姿は実に子どもらしく微笑ましいのだが、そこはリヴァエレR18なのでしっかりリヴァイのスイッチが入ってしまった。
「本当に欲しいか?」
リヴァイはエレンの目をじっと見つめ確認をする。
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