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□Case1【抵抗】
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「約束通り来たか。」
扉を閉める音に気づき、リヴァイは読んでいた書類を机に置いた。
戸惑いと不安を抱えて部屋を訪れたエレンは、重い足どりでリヴァイの待つテーブルへ向かう。
「来たくて来たんじゃありません。」
「なら帰れ。」
「!」
リヴァイの身勝手な発言にエレンは苛立ちを覚える。
「帰ったらミカサに手を出すじゃないですか。」
「別にミカサが欲しいわけじゃない。ただ、規律を破ってまで抱くならせめて珍しい女を抱きたいと思っただけだ。」
「っ…。」
規律の話を出されると返す言葉もなくなる。
「そこに紅茶がある。とりあえずそれでも飲んで落ち着け。」
リヴァイの目線の先にはテーブルの上に置かれたポットとコーヒーカップがあった。
若干緊張していたせいもあって口が乾いていたエレンは、中に入っていたお茶をカップに注ぐと一気にそれを飲み干していく。
カップを机に戻すと、すかさずベッドに移動し腰を掛けて座り込んだ。
「何をしている。」
「あ、あの…するなら、さっさとして、終わらせて下さい。」
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