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□Case2【嫉妬】
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ー1ー

「ここで、ですか。」
「ここで、だ。」
互いに1歩も譲らず睨み合ったまま押し問答が続く。
調査兵団が所有する建物内には使用されなくなった部屋が幾つかあり、その一角にある元会議室のような場所にエレンは呼び出されていた。
人通りが殆どなく一日中薄暗い。
しかし、使用されなくなってからさほど経っていないのか会議室は綺麗なままだった。
「せめて部屋に戻ってからにして下さい。」
「会議が長引くから無理だ。」
「それなら明日にして下さい。」
「お前が勝手に決めるな。」
苛々を募らせたリヴァイの威圧感ある声に、拒否し続けていたエレンも思わず萎縮する。
「どういうつもりだ。」
「だ、だって…」
「だって、何だ。」
「人が…来るかもしれないじゃないですか…。」
頬を赤く染め、掠れる様な声でエレンは現状回避を訴えた。
「お前が声出すのを我慢すれば誰も気づかねぇだろ。」
「なっ…」
サラリと爆弾発言をするリヴァイにエレンは唖然となる。
(冗談じゃないっ!!)
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