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□君を飼いたい
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「ハンジさああーーーん!」
絶叫に近い叫び声を上げながら全速力で廊下を走り抜け、ハンジの部屋に駆け込んで来た者がいた。
「ハンジさん!!」
「エレンどうし…」
来客を迎えようと椅子から立ち上がったものの、ハンジはキョトンとする。
確かにエレンの声はするのだが、ハンジの視界に入ってきたのはぶかぶかの白シャツを着た小さな少年だった。
「なっなんでこんな小っちゃい子がここいるの?ここ来ちゃ危ないでしょー!?」
ハンジは慌てて少年に近寄ると、手を取り外へ出ようとした。
「ま、待って下さい!俺です、エレンです!」
その少年はエレン・イェーガーを名乗り、ハンジの手を必死に離そうと抵抗をする。
ハンジは信じられないという表情を見せたが、外に連れ出す事を止め持ち前の好奇心から少年をまじまじと見つめた。
「…確かに顔の作りはエレンにそっくりね。」
「そっくりじゃなくて、本人です!さっき水を飲もうとしたらグラスを割ってしまって、拾おうとしたら手を切って、そしたら急に気持ち悪くなって気づいたら…」
少年は自分がエレンである事を証明すべく必死になってその過程を話そうとする。
「実際問題そんなキテレツな可能性があるのか。」
部屋の奥で、聞き慣れた静かな声がハンジに問いかけてきた。
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