短編その他

□CinderellaHoney×SnowWhite
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「……やられた」
リヴァイは眉根に深い皺を寄せ、小さく舌打ちする。
「何イラついてんのよリヴァイ、ただのイベントじゃな〜い☆」
ケラケラと笑うハンジの言葉に、リヴァイはさらに苛々を募らせる。
「そう言えば、てめぇ昨日のポルターアーベントでクソみたいな機械を持ってきてたな」
「あの自動皿投げ機は最高傑作だね〜☆全ての不幸は消え去り、2人を隔てる障害は、もう何もない……っっっ!!!」
「バッティングの練習じゃねぇぞ」
人類最強の蹴りをひらりとかわし、ハンジはスキップしてエルヴィンの背後にまわると、ふふふ☆とほくそ笑む。
「チッ…」
「あれは豪快で悲惨な皿割りだったな、お前の神経質な片付けにつき合わされてエレンが不憫だったが…」
「ふざけるな、新築に何て事しやがる」
目の前にある新築一戸建てのドアには、無惨に割れた皿の傷やヘコミの跡がしっかりと残っていた。
「リヴァイ、東洋に存在していた『日本』という国は繊細で潔癖なお前の性格にマッチしていたと思う、……生まれた場所が悪かったな」
気の利いた言葉も思い浮かばず、ただただ苦笑いを浮かべるしかないエルヴィン。
リヴァイは小さく溜め息をつくと、気持ちを切り替えたのかエルヴィンを問い詰め始めた。
「エルヴィン、エレンをどこへやった」
質問の意図に気づき、エルヴィンは目を細める。
「何の話だ?」
「この俺の目を潜って、あいつを誘拐出来るのはお前ぐらいだ」
「花嫁を見つけるのがお前の仕事だろう?私に聞く前に、早く探しに行きなさい」
隙を見せない優しい微笑みに、リヴァイは舌打ちをする。
「1つだけヒントをあげよう、エレンを隠した場所は……」
「あいつが行きたがる場所くらい、言われなくても分かってる」
リヴァイはポツリと呟くと、エルヴィンとハンジに背を向けツカツカと歩き出した。
「早くしないと、日が暮れて花嫁が風邪を引いてしまうよ」
「行ってらっしゃーい☆」
風習にも従順なリヴァイが可愛くて仕方なく、2人は目を合わせてクスクスと微笑った。
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