DRRR!!

□かくれんぼ
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  『もういいかい?』






  『もういいよ』











 かくれんぼが始まってどれくらいたったのだろう

 あまりに長すぎて未だに見つけることが出来ていない何かが何だったのか思い出せない

 だけど何故かその何かが失ったままでは駄目なようがしてしまい探し続けている







   








これは数年前の話
いつも通り君と喧嘩していた
するといきなり君は変なことを口にした

 「お前って俺のこと好きなのか?」
 「え…?」

多分噂か何かで聞いた話なのだろう
だが何故か言い当てられた気がした
でも自分にはそんな気持ちが『好き』という気持ちがあるわけがない
もはやこんなやつに…

 「はっそんなわけないだろ 冗談はやめてよ」

俺は否定した
これで良かったんだ
良かったはずなのに… 後悔しか残らなかった
ちゃんと踏み込むべきだった
ちゃんと探すべきだった
自分の気持ちを
そしたら君と

 「……………だよな」

ちゃんと向き合えることが出来たのかな



俺は諦めていたんだ
いつまでたっても見つからない
その事が悲しくて情けなくて逃げていたんだ
嘘をつき続けて君を傷つけていって逃げ場が無くなると言い訳ばかり
そんな自分が嫌で君が離れてしまうのが恐くて四肢をほうり出した



 そして数年たった今やっと気付いたんだ
 自分が誰とかくれんぼをしていたのか
 自分が何を探していたのか
   それは―…




 「急に呼び出したりしてごめん」
 「………」
 「そんな怖い顔しないでよシズちゃん」
 「用事ならさっさと済ませろ」
 「相当苛ついているみたいだけどそれでも来てくれたんだね」

サングラスごしだから正しいかどうかは分からないけど顔が少し動いた
来てくれたという言葉に反応したのだろう
そしてそんな君に嬉しいと思ってしまった

 「今日はシズちゃんに伝えたいことがあってね」



 自分が誰とかくれんぼをしていたのか
 自分が何を探していたのか
   それは―…


   「好きだよ シズちゃん」


 本当の自分と本当の気持ちだった






    『みぃつけた』



                  


     

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