魂掴

□性別なんて関係なく
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神「ちょ、伊調!痛い」
伊「ああ、ゴメン」

履き慣れない靴のため、普段と歩くペースが違うのだ
それなのに手を引いてずんずん歩かれては堪らない

伊「男女のデートのようだね」

握っている手を前後に揺らされて、神峰は赤面した

神「手繋ぐなんて…」
伊「大丈夫。今の君は女の子にしか見えないよ」

今の神峰は、彼氏に手を繋ぐのを恥ずかしがっている彼女、に見える
その証拠に、周りの大学生カップルががんばれーと声をかけたり、フリーターらしき人がリア充爆発しろ!と嘆いてたり、殆どが眼鏡をかけている女子の集団が女装デートですかありがとうございますと騒いでいたりする

神「あれ、一部ばれてね?」
伊「彼女たちに隠すことはできないよ」



普段は恋人らしい振る舞いなんてできない
でも今は神峰が女装しているため、手を繋ぐことも、人前で愛を囁くこともできる
今しかできないことだからと存分にイチャついていたのがまずかった

「ん?神峰じゃないか。可愛い格好をしているね」
「面白そうなことしてるな」
「驚いたな。よく似合ってるよ」



とある楽器屋に入ったときであった
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