魂掴

□あなたの熱にのせられて
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先輩の一人が、差し入れにとウイスキーボンボンを買ってきた
全ての始まりはそこからだった―――


「ときさかー」

なんなんだこの状況は
刻阪は頭を抱えたくなった

刻阪は神峰に抱きつかれていた
普段の神峰にはあり得ない行動だ

神峰は甘いものが好きなため、ウイスキーボンボンをたくさん食べた
その結果酔っぱらってしまい、現在に至る

真っ赤に染まった頬、潤んだ目、熱い体
全てが情事を思い出させて、刻阪は耐えるのに必死である

神「ときさかどうしたー?心がまっかにはれあがってるぞー?」
刻「いや、大丈夫。なんでもないよ。ところで神峰、そろそろ離れてくれないか?」

いろいろとヤバい刻阪は、神峰に離れてもらおうとしたが

神「え…イヤだ、おれ、ときさかとはなれたくない…」

神峰は、ボロボロと大粒の涙を流しだした
想定外のできごとに、刻阪は慌てた

刻「か、神峰!?」
神「おれ、ときさかになにかした?おれ、いやなとこあったらなおすから…はなれないで‥!」

抱き締める力を強くして、涙に潤んだ目を向けて、はなれたくないなんて可愛いこと言って、

もうどうでもいい、可愛い神峰が悪いんだと、理性の糸が切れかけた―――


「バカか!あんたたちは!」

頭を楽譜の束で叩かれて我に帰った

「そういうことは家でやんな。ここは部室で部員全員がいるんだから!」

谺先生の声に周りを見渡すと、部員が真っ赤になってこちらを見ていた

刻阪は、自分と神峰の荷物を持つと、神峰に肩を貸して帰宅した


次の日、二人は学校を遅刻した
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