魂掴

□そばにいるのは私だけ
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今日は日曜日
神峰は、刻阪と一緒に新しくできた楽器屋に行くのだ

神峰が待ち合わせ場所に着くと、刻阪は既にいた

神「刻阪!悪ぃ、待ったか?」
刻「大丈夫。僕も来たばかりだし。」

周りにいる女子の心がときめいているのがわかる
それを少し不快に思った

刻「神峰どうした?」
神「え、いや、何でもねえよ。」
刻「‥本当に?嫌ならちゃんと行ってほしい」
神「大丈夫だって!ほら、今日は映画観に行くんだよな?どんなやつなんだ?」
刻「神峰」

刻阪は少し、いや、とても頑固だ
ちょっと話を反らした位で受け入れてくれるようなら、神峰は吹奏楽部に入っていない

神「‥嫌だから‥‥」
刻「え!?」

刻阪の心が不安がってる!

神「そうじゃなくて…周りの女子が、刻阪に見惚れてるのが、嫌だなって」

刻阪の私服格好いいし…とぶつぶつ言っていると、刻阪の心が真っ赤に燃え始めた

神「ちょ、刻阪どした!?」
刻「神峰、君はどうしてそんな可愛いことを…!」
神「可愛い!?んなわけねぇだろ!」

真っ赤になって狼狽える神峰を、抱き締めたくなった刻阪だが、人前なので耐えた
代わりにギュっと、神峰の手を握った

神「おい、刻阪!」
刻「僕は神峰のもの。神峰は僕のものだよ」

刻阪は神峰と目を合わせて、ニッコリ笑った

神「よくそんな恥ずかしいこと…」
刻「嫉妬した、なんて言った、君の方が恥ずかしいと思うよ」
神「嫉妬って…」

いや、確かに嫉妬っぽいこと言ったけども!刻阪の方が絶対恥ずかしいと、神峰は思った

刻「神峰、大丈夫?」

刻阪が微笑みながら神峰に問いかける
赤面している神峰は、大変可愛い

神「大丈夫だ!ほら、もう行かないと映画始まるんじゃねぇの?」

話を反らそうとすると、刻阪は今度は話に乗った

刻「その映画は主題歌だけではなく、BGMも素晴らしくてね…」

映画をストーリーではなく、音楽主体で見ているのが刻阪らしい
音楽バカなのは神峰も一緒なので、刻阪の音楽解説を快く聞いている

並んで歩く二人は、どこからどう見ても、恋人同士だった
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