魂掴

□性別なんて関係なく
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今日は伊調とデートのためにショッピングに来ていた
伊調は音楽以外は無頓着らしく、学ランしか持っていないらしいからだ

なのに…

神「なんで俺が試着してんだよ!?」
伊「可愛いよ神峰翔太」

伊調はニコニコしている
心から流れてくる音楽も明るい曲ばかりだ


事の発端は数分前
二人で店の服を見ていると、伊調が服を選んで『神峰翔太に似合いそうだ』と神峰を試着室に連行した
神峰も仕方なく着てみると、ズボンだから分かりにくかったのだがレディースだった
そんな神峰を見た伊調は、何を思ったのか女性服を神峰に着せまくって現在に至る

伊「本当に似合ってるよ」
神「そんなん思うのお前だけだろ…」

心から本気で言っていることがわかるが、似合うと言われても喜べない

伊「あ、これ買います。あとこれも…はい、ありがとうございます」

店員が俺が着ている服の値札を切る

神「おい、伊調!」
伊「あ、お金は僕が出すから気にしなくていいよ」

そんな問題じゃない!と神峰が慌てていると

「あれ?神峰くんだーなにしてるのー?」


聞きなれた声がして振り向くと、吹越姉妹がいた

神「ちょ、先輩!?見ないでください!」
カ「どうして?可愛いよ 聖月もそう思うよね?」
聖「うん可愛いと思う!そのままデートしちゃえば?」

ねーと言う二人は、仲違いしていたと思えないぐらい仲良し姉妹である

「ほら、コレ着けて」「こうして」「このカーディガンも合わせようよ」「ブーツ履いちゃえ」「あ、私コスメ持ってるよ」

「なにやってんの?あんたたち」

またもや見てみると、邑楽先輩と御器谷先輩がいた

神「え、邑楽先輩と御器谷先輩!?」
忍「もしかしてその声は、神峰くんかい?あ、僕なんかが声で判別するなんて生意気にもほどがあるよね…」
恵「あ!あんたたちメイク下手くそ!ちょっと貸しなさい」

邑楽先輩も加わって頭のてっぺんから爪先まで、完璧に女の子の格好にされてしまった

神「おれ…男なのに…」
忍「神峰くんも僕と同じ思いをすればいいんだ…」
神「キャラ変わってません!?」

確かに、今の御器谷はズボンをはいているが、服や装飾品のすべてがレディースである

忍「恵が面白がってね…僕が女の子の格好なんて、全国の女の子に失礼なのに」
神(この人そこらへんの女子より可愛いんだけど!?)

御器谷の可愛いらしさにびっくりしていると、上機嫌な伊調に引っ張られ、いつのまにか店を出ていた
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