魂掴
□ハロウィン
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今日はハロウィン
神峰翔太には、今日この日にやりたいことがあった
それは
神「刻阪!」
「トリックオアトリート!!」
刻「…」
刻阪はいきなり言われた言葉に、目を丸くしている
神(あれ?刻阪びっくりしちまった…やっぱこういうの言うのって女子か子供だけだよな…俺すっげえ恥ずかしいやつじゃね!?)
長い沈黙に、神峰の思考は悪い方へ悪い方へ進んでいく
神「やっぱナシ!なかったことに」
刻「神峰にあげられるお菓子ないな…どうしよ」
そう言いながら、刻阪はカバンを漁ってる
神「刻阪、そんな無理に探さなくても」
刻「僕は嬉しいんだ。神峰がこういうのしてくるのってあまりないから」
確かに、吹奏楽に関して以外は神峰は消極的だ
部活の勧誘から始まり、お弁当を一緒に食べようと誘ったのも、一緒に帰ろうと誘うのも、そして、恋人になってくれと告白したのも全て刻阪からである
しかも、誘ったあとに、“俺なんかでいいのか?”と聞いてくるもんだから、控え目なとこも可愛いんだけど、もっと自分に自信を持てと怒りたくなる
ハロウィンなんて小さなイベントでも、神峰からのイベント参加に刻阪は嬉しくなる
刻「そういうこと。で、お菓子は持ってるんだけど、神峰が食べられるようなお菓子は持ってないんだ。」
神「どういうことだ?」
刻阪が取り出したのは、スナック菓子
しかし、ただのスナック菓子ではない
パッケージには、辛いを越えて痛そうなお菓子が写っている
神「うわ…」
刻「だろ?」
これは流石に食べられない
刻「さて、神峰はどんなイタズラをしてくれるのかな?」
神「え?えっと…」
急に神峰の顔は真っ赤になった
しばらく目を泳がしていたが、
刻「え?んっ…」
刻阪を引き寄せ、そのまま口付ける
甘ったるい味が、刻阪の口のなかに広がった
刻「あめ玉?」
口内にカランとあめ玉が転がる
神「刻阪って甘いもの苦手だろ?だから、イタズラになるかなって‥」
なんで口移しの必要がとか、あめ玉くらいなら大丈夫とか、言いたいことはいっぱいあったけど
刻「ねえ神峰、」
trick or treat?
答えは
イタズラしか許さないけどね?