魂掴

□恥じる姿
1ページ/2ページ


神峰は伊調と一緒に喫茶店に来ていた
伊調が美味しいお菓子の食べ放題ペアチケットがある、と神峰を誘ったためである

神「うわー美味しい!誘ってくれてありがとう伊調」
伊「どういたしまして。」

神峰はたくさんのケーキを幸せそうに食べている
一方、伊調は優雅にコーヒーを飲んでいるだけである

神「あれ?伊調は食べないの?」
伊「ああ。ケーキを食べる君を見ていたいからね」
神「へ?」

ケーキを食べる自分なんかを見て、何が面白いのだろうかと、神峰はクエスチョンマークを飛ばした

伊「ケーキを食べる君はとても幸せそうで可愛らしく、見ているこちらも幸せになる。」
神「そ、そんなことないよっ」

言われ慣れない言葉たちに、神峰の頬も赤くなる

神「そんなお世辞言わずに、伊調も何か食べろよ!」
伊「世辞じゃないよ。本当だ」

にっこり笑う伊調を見ていられず、神峰はごまかすようにケーキをガツガツ食べだした

伊「あ、ちょっとこっち向いて」
神「ん?」

不意に呼ばれて伊調の方を向いてしまった神峰の口元に、温かい感触。
随分近い伊調の顔
周りのお客さんの黄色い声

伊「ごちそうさま」

伊調が色っぽく唇を舐める

神峰は顔が沸騰するかのように熱くなったのを感じた

神「な、な…!」

舐められた!
しかも口元!!

思わず口許を隠してしまう

人前なのに!すごく恥ずかしい!


伊「あ、時間来ちゃったね。出ようか」

ぐるぐる考え続ける神峰の手を引っ張って、店を出て、気がついた時には伊調の部屋に着いていた

神「うえ!?ここ、どこ?」
伊「僕の家だよ」

さらりと答えると、部屋の鍵がかかる音がした

神「なんで鍵かけるの…」
伊「今日、家に誰もいないからね」
神「へ…」







次の日

伊「ねえ、出てきてよ」
神「伊調のばか〜」
伊「布団の中だと息苦しいでしょ」
神「やだ」
(チラっと布団を捲る)
伊「君、顔真っ赤だよ?かーわいー」
神「!!見ないでよ!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ