魂掴

□お互い様
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神峰と音羽


部活動が終わり、帰るために夕日が射し込む校内を歩いていた打樋は、ある教室に見知った姿を見つけた

打「お?お前ら何やってんだよ」

打樋らしくズカズカと教室に入ると、二人とも笑って打樋を迎えた

神「ちわっす!打樋先輩。」
音「打樋うるさい」

二者二様の迎え方である

打「二人とも帰らねえのか?」
音「神峰がワケわかんないこと言う」
神「」

二人の間に火花が散っている
いつもの打樋なら、勝負ごとなら混ざりたいと言うのだが、嫌な予感がしたので言わなかった

音「そうだ打樋。刻阪より奏馬のほうがカッコいいよな?」
神「いや!刻阪のほうがイケメンですよね!?打樋先輩!」

は?

神「刻阪はイケメンなだけじゃなくて、すっごく優しいんですよ!俺のメチャクチャな指揮をちゃんと理解してくれるし、俺が折れそうになったら隣で支えてくれる。極め付きはあの文化祭!みんなの前で愛を叫んでくれたんですよ!あんなこと誰にもできませんよ。刻阪こそ!俺のこと一番理解してくれる最高の恋人ですよ!そう思いませんか打樋先輩!」

音「優しさなら奏馬のほうが上だよ。部員全員が認めてる。他のパートに行ったらちゃんと連れ戻してくれるし、セッションしてくれる。我が儘な俺のことをきちんと叱ってくれるし、受け止めてくれる。奏馬こそが最高の恋人だ。そうだろう?打樋」

え、なんで俺こいつらに惚気話されてんの?

その後も延々と続く惚気話に、打樋は思った



ああ夕日がキレイだな
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