はちゃめちゃリレー小説

□白昼夢マティーニ
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大丈夫じゃないだろぉぉぉぉ!!
私は必死に叫んだ、声は出ないが心の中で。

「痛みなんて、一瞬だからー安心して?」

キーモンとかいう奴が満面の笑みで言って来た。安心できるかぁぁぁ!!どうしようどうしようと頭の中でテンパっていると、「なごみさん!なごみさん!」って声が聞こえて、急に意識が遠のいっていった。

「え、ちょっとまってよー!意識なきゃ記憶の操作できないんだけどぉー」

なんて声を聞きながら私は意識を手放した。

***

目を開けると、そこはいつも夢で見る庭園だった。ビアンカガーデンだ。

「和さん!!!」
「うわっ?!」

勢いよく抱きついて来たビアンカを受け止めながら制御できなくてばったーんと倒れてしまった

「いたたた…ビアンカ…大丈」
「和さん!!大丈夫ですか!?」
「ぐぇっ!いっ痛い!!ビアンカ痛い!!」
「あ、ごめんなさい」

ぎゅうううと骨が折れるんじゃないかってぐらいきつく抱きしめられた。でもごめんなさいといって上げた顔は今にも泣きそうな顔だった。

「和さん!怪我はありませんでしたか?!記憶は?!大丈夫なんですかぁぁ?!」
「あわわわビッビアンカぁぁ」

抱きしめるのをやめたのはいいが今度は私の肩を掴み前後に揺らしてきた

「はっ、私の名前は覚えていますね!じゃああの人は!黒い人!」
「…夢太郎?」
「よかった!!覚えてました!記憶の操作されるって聞こえて慌てて呼びたしたのはいいのだけど、すでになかったらなんて思ったら本当に心配でっ!!」
「うわっ?!」

ビアンカは安心したように嬉しそう抱きついてきた。ぎゅうううと骨が折れそうなほどに、痛い!痛いから!!

「だから!痛いんだってばっ!!」
「はう!ご、ごめんなさい…」
「いや、いいんだけど…意識ないと操作ができないって言ってたから、しばらくは大丈夫だと思うけど…」

ビアンカに庭園に呼びだされる前、薄れる意識のなか、キーモンとかいう奴が言っていたことを思い出した。

「ですが、この庭園にずっといられるわけではないですわ…私の力で少しの衝撃では起きないようにしていますが、それ以上に強い衝撃があったら起きてしまいます。きっとあの人たちは躊躇いもなくやると思います…その前になんとかしないと…あぁ!!なぜこんなときに夢太郎はいないのですかっ!!」
「ビッビアンカ…落ち着いて…」

でも確かにその通りだ、意識がないと操作できないとは言っていたけど無理やり起こさせることもできるし、もしかしたら違う方法で記憶の操作ができるかもしれない、なんとか回避する方法を目覚める前に考えないと…って

「かっ!体消え始めたんだけど?!」
「ああ!!微弱ながらも現実世界で起こそうと衝撃を与えているんですわ!和さんなんとかしてとどまってください!!」
「なんとかってどうやっ」
「消えちゃいましたわ?!どうしましょう!和さんが!!」

****

「あっあれ、動ける!」

現実世界に戻ってきた私は、キーモンがいないことに気づくのと一緒に体が動ける事にも気づいた。もしかしたらあいつらが近くにいると動けないように術かなにかがかけられてたんだと思う…

「…起きたの?」
「うわっ!!」

そうだ、忘れていた!キーモンって奴と一緒にリゼっいう子もいたんだ…どうしよう…

「動くよね?じゃあこっち」
「えっ?」

その顔をみると、さっきと違ってほんの少しだ目に光が戻っていた。

「このドア。」

そこのドアを開くと黒い空間で大きな穴が空いているようだった。

「ここ、降りれば現実世界に戻れる」
「やっぱり落ちるの?!」

やっぱりかぁ…この深そうな穴を降りなきゃいけないのね…

「あなた、あの人の力の気配がある。そのおかげで少し、力が戻った。」
「あの人…?」

ビアンカの事だろうか…?

「うん、黒い男の人。」
「夢太郎の事なの?!」
「そう、あなたは夢太郎って呼んでるんだね…そっか名前もらったのね…よかった」

リゼはほんの少し表情を動かして嬉しそうに小さく微笑んでいた。リゼは夢太郎となにか関係があるの…?だったら!

「なら!あなたも一緒に行こう!夢太郎にも会いに行こう?」
「いいえ、私はここから出れないからそれは出来ないの…だからあなたは私のようにはならないでね…」
「でも、リゼッ!!」
「残りの力少しあげるわ…だからあの人を、夢太郎をよろしくね、和」
「リッ!!」

私がリゼと呼ぶ前にリゼがドアの前にいた私を押した。

「え、うぇぇぇぇ?!」

ドアの先にあった穴にリゼに押され私は落ちて行った。そのとき胸元がほんのり光った。暖かい。これがリゼの力なの?だけど、とりあえず…

「落ちてるぅぅぅぅぅぅ!!」

この一直線に落ちている現場をどうにかしなければ私は死ぬんじゃないか?それだけは嫌だぁぁあ!!

「はっ、だけどここで大声だしたらあいつらに気づかれるんじゃ!」

だっだけどここで声、助け呼ばなきゃ着地できなくて死ぬよね?!あぁ私死ぬんかなぁなんて思ってくる衝撃に備えて目をつぶったけど、ドサッと音がして、暖かいものに包まれた。そっと目を開けてみると

「和さん!無事?!」
「夢太郎?なんでここに…」
「そんな事は後!!戻るよ!」

そえ言って夢太郎は真っ暗な道を私をお姫様抱っこしながら走りだした。
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