はちゃめちゃリレー小説

□白昼夢マティーニ
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その頃私と夢太郎はどこまでも暗い道を全速力で走っていた。正確には私は夢太郎におっ…お姫様抱っこをされているのだけども…恥ずかしいからやめて欲しいとさっき訴えたところ…

「今はそんな事言ってる場合じゃないっ!それに僕が抱えて走ったほうが早いよっ!!」

なんて、一刀両断された。

「ねぇ夢太郎!この真っ黒い空間はなんなの?」
「ここは現実世界と夢の世界をつなぐ道っていうのかな。狭間ってところかな」
「へぇ…夢太郎はなんで私がここにいるってわかったの?」
「えっと…まぁそれは…うーん」

夢太郎が唸ったまま言葉に詰まってしまった。言えないことなのかな?まぁ夢太郎のことを全て知りたいわけじゃないしいいんだけどね。

「まぁいいよ。来てくれただけで安心したし…」
「まさか落ちてくるとは思わなかったけどね。」
「うっ…あっあれはリゼに落とされて!」
「リゼっ?!リゼがいたの?」

私がリゼを話題にだした途端夢太郎が目をまん丸くして驚いていた。

「くそっこの上にリゼがいるのかっ!!今いけば助けられるかもしてないっあーでも!!」
「ゆ、夢太郎…?」
「あ…ごめん…今はここから逃げることを考えないとね…」

そういった夢太郎はすごく辛そうな顔をしていた。やっぱりリゼと夢太郎はなにか関係があるんだろうか…

「ふふ…和さん、すごく聞きたそうな顔してるよ」
「えっ?!しっしてないよ!」
「あはは…まぁ隠すことでもないから言うと、リゼはさ僕の双子の妹なんだ」
「双子ぉ?!似てない!!」
「えっそこなの?」

たっ確かに関係があるのかとは思ったけどまさか、双子だったとは…!

「助けたいけど…まず君が先だ。あいつら『ティーパーティー』にはまだ特効薬は必要だ。だからまだリゼは殺されないっ!それに今助けにいったらリゼに怒られそうだしね」
「落ちる前に、リゼに少し力をもらったの…その力から少し伝わるよ…夢太郎のこと信じてるって気持ち」
「……そっか」

リゼの気持ちを伝えると夢太郎はすごく嬉しそうに笑った。

「あっ夢太郎!光だよ!」
「本当だっ!スピードあげるよ!」
「えっ…うわわわ?!」

猛スピードで光のほうへ夢太郎は駆け出した。光を駆け抜けたそこは…

「おーい、那津ーいる…」
「あっ危ないっ!!」

どこかのドアを開けた洋介が居て、速度を落とせなかった夢太郎は思いっきり洋介にぶつかった。

「ぐはっ!!」
「よーすけぇぇぇ!!」
「ごめんなさいぃぃぃ!!」

夢太郎に思いっきりぶつかった洋介は気絶し、夢太郎は勢いよく謝り、私は夢太郎に、抱きかかえられたまま、洋介のことを呼ぶのだった。つか夢太郎!!いい加減私を降ろせっ!!!
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