ピーニャ

□居なくならないで
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夜、眠るのが怖いんだ。
キミがボクの隣から居なくなる夢をみるから。
繋いでた手をすり抜けてキミが遠くへいってしまうんだ。




キミの顔がだんだんと歪んで、かつてボクをいじめていたヤツらの醜い笑顔に重なって見えてくるんだ。



『誰もお前のことなんて好きじゃねえよ』


キミの姿をしたアイツらが、笑ってそういうんだ。




「ッ……」



そんな夢を見た時は起きてからも涙が止まらなくなって呼吸が苦しくなる。
苦しい。心臓が死に急いで脈を打っている。息ってどうやって吐くんだっけ。


思わずベッドの中でむしポケモンのように身を丸める。




「ピーニャくん、起きてる?…ってピーニャくん!?」


ノックなく扉を開く音と共に大好きで愛しいキミの声が降ってくる。


目を見開き涙を流しながら過呼吸を起こしてる情けないボクの姿をみて慌てて傍に来てくれる。


手馴れた様子でボクの口元に袋を持ってきてくれて、丸まった背中を優しく撫でてくれる。


「大丈夫、大丈夫だよ。ピーニャくん。私ピーニャくんのことずっとずっと好きだよ」




ボクが発作を起こすといつもそう声掛けてくれる。その優しい声と言葉、何よりアオイくんの存在に安心して過呼吸と涙はおさまっていった。
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