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□01.危なっかしいんだから
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犬がウサギちゃんと呼んだことに誉めてあげようと最近になって思うようになった。
目がクリクリしてて、幼さ残る顔付き。行動やら反応やらもまさに茶色の子兎。
「骸!」
駆け寄ってくる姿もなんて可愛いらしい。こんな風に思う僕はすでに末期だと重々承知している。
しかし、そんなに走ったら君は…
―ドテッ
ほら、転んだ。
「イテテ…」
僕は近寄って彼を抱き上げるように立たせた。
「大丈夫ですか?」
「うん、平気。ありがとう」
君の笑顔。なんて幸せになるんでしょう。
僕は彼の手を握って歩きだした。
「骸?」
「君はいつ転ぶか、わかったもんじゃない。だから手を繋ぎましょう、すぐ支えれるように…まったく
危なっかしいんだから
綱吉君は」
<危なっかしいんだから>
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