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□03.そういうトコ直せよ
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白を基調にした壁紙や家具。家具も簡素なものしかなく、おまけに常に漂っている薬品の臭いで昔のことが頭の中をちらつく。
のんびりできるのでちょっとした休暇と思えばいいのだが、暇潰しできるものがなく手持ち無沙汰で今の時間を有効活用できない事に多少イラつく。せっかく気になる本を先日見つけたというのに。
病院とは不便なものだ。

コンコン。

「失礼します、って目覚めたんだね!」

ノックの音がして、返事をする間もなく扉が開いた。僕を見て満面の笑みをした綱吉君。

「まだ入っていいなんて言ってないんですけど…?」

「いや、だって起きてると思わなかったし…ごめんね?」

「クフフ、別にいいですよ。ただ言ってみただけですし、君なら全然構わないですから」

僕の指摘にちょっとバツが悪そうな綱吉君。そんな彼を見て無意識に微笑んでしまう。

「元気そうで良かったよ」

「病で入院した訳ではないですからね」

「でも驚いたよ。骸が急に倒れるんだもん!で、お医者さんに聞いたら栄養不足に睡眠不足…大変な任務だったんだな」

「いえ、任務自体は簡単なものでしたよ?ただどちらも摂取するのが面倒くさかっただけで」

眉を八の字にして尋ねた彼が僕の言葉を聞いて溜め息をついた。

「どうしてお前はそう…」

呆れたような、投げやりのような溜め息をもう一度した後に僕としっかり視線を交わす。

「クローム達もどれだけ心配したかわかってんのか?」

「君も心配してくれました?」

「当たり前だろっ!!」

小首を傾げて、わざとらしく笑って茶化す気まんまんで言ったら怒られてしまいました。

「全く、自分のことには無頓着で……
そういうトコ直せよな!
こっちがどんな思いしたか…暫くは俺が骸の体調管理するから、覚悟しとけよ」




僕の事に真剣になる君に愛しさと幸福を感じ、倒れて君がずっと側に居てくれるなら、ずっと…

また、怒られますね。









〈そういうトコ直せよ〉



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