短編小説集
□あけてしまった!
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時計は11時50分をさしている。
「…なんだかんだ今年も後10分だな。」
「ああ」
ちゃぶだいの上には何故かマヨネーズとコンデンスミルクがのっている。蕎麦が入っていたはずのお椀には、どちらにも白い(または黄色っぽい)ものが少し残っている。
「改めて思うが…お前って味覚壊れてるな…」
「うっせえな。ニシンにはコンデンスミルクがよくあうんだよ。…ってかてめえに言われたかねーよっ!お前の…なんだっ?もはやダシの変わりにマヨにつけて食べてるみたいなもんじゃねーかっ!」
「いいんだよ。マヨは世界一だから。」
「糖分だって世界一だから。」
「世界一2つあってどうすんだよ。」
「………。」
「………。」
大晦日だってのになんでこんなくだらない話……。
と、しらけてこの喧嘩はお開きになった。
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