壤夷系長編小説
□銀時と神様2
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夜。
松陽は襖の開く僅かな物音で目をさました。
(来たか…。)
ここは幕府高官の城の一室。入ってきたのは恐らく蔵持…この城の主だろう。
蔵持は男色家と聞いている。そして今のお気に入りはおそらく私。
蔵持の布団に潜り込み情報を聞き出す…。そのために来たのだ。まあ、むこうからやってきたのは計算外だが…。手間が省けた。
松陽は帯の裏に隠し持っていたカプセルをバレないように取り出した。
蔵持はまだ松陽が眠っているものと思っているだろう。
蔵持がこちらに忍び寄ってくる。
さあ、演技を始めようか。
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