壤夷系長編小説

□銀時と神様2
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そろり、そろりと畳を足袋で擦る音が近くなる。


「…吉田松陽。主のことだ。目は覚めているな?」

気付いていたか。

「…はい。」

布団から体をおこし蔵持を見据える。

「そして、主なら、もう気付いているはずだ。」

ええ、気付いていますとも。

「っ何を!ッンっ」

貴方が、

「わしが主のことを気に入っとることくらい。」

私を気に入っていることくらい。




灯りとりの小窓からそそぐつきの光をあびて、
くちづけを交すシルエットができた。






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