TOV

□本当は、
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コレの派生



ユーリとフレンがあたしとエステルから離れていったら、エステルはさっきまでユーリが座っていたところに座った。

「エステル?皆のところに行くんじゃないの?」
「ふふっ、別に行かなくてもいいんですよ」
「は・・・・?」

あたしにはエステルの言っている意味が分からなかった。

「だって、私がココに居る代わりにユーリが向こうに行きましたから」
「もしかしてエステル・・・」
「ちょっと、フレンとユーリにいじわるしちゃいました」

エステルは楽しそうに笑った。

「何?あいつを連れて行くのが目的だったわけ?」
「そうです。だって、ユーリ最初から一人で端に居て私達のところに来ないんですよ?」
「そういえばそうね・・・・・」

思い返せばあいつはパーティーが始まったとたんすぐに端のほうの席に座った。

「そうしたら、フレンがパティやレイブンのところに連れて行こうって」
「それでフレンに同意してユーリは向こうに・・・って?」
「はい!それに、私ユーリにこの席代わってもらいたかったんです」

エステルらしいわ、と思いながら私はエステルに聞いた。

「でも、何でその席なのよ?ここ、端っこよ?エステルはみんなの近くのほうが好きなんじゃないの?」
「みんなの近くも好きですよ?でも、ココがよかったんです」
「何で?」

少し間を置いてからエステルは手をひざの上においてまっすぐ私のほうを向いて

「リタが・・・リタがそこに居たからです」
「はぁ!?」

にっこりと笑うエステルをよそに私は驚きを隠せなかった。

「ちょ、ちょっと待ってエステル・・・意味が分からないんだけど・・・」
「はい?そのまんまの意味ですよ、リタ」
「いや・・・そのまんまの意味って言われても・・・・」

ぅーん、と少しうなってからエステルは言った。

「えっとですね・・・私はリタが大好きなんです。だから、側に居たかったんです」
「あ・・・・あんたってこは・・・」

呆れもある、だけど嬉しさも恥ずかしさもある言葉を言われた。
あたしは顔を手で覆った。
顔が赤いような気がしたから・・・

「リタ・・・?どうかしましたか?」

エステルが心配そうに声をかける。

「何でもないわよ」

そっけない返事をする。

「そうですか・・・・?何かあったら言ってくださいね」

こんなそっけない返事をしてもエステルは嫌な顔せずあたしの側に居る。

「(本当、この子は変わってるわ・・・)」

そう思いながらもあたしの頬の熱が冷めることはなかった。



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