TOV

□出会えてよかった
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コレの続き


外に座っているとフレンちゃんが声をかけてきた。
「レイブンさん?」
「およ、フレンちゃんじゃないの。どうしたのよ?こんな時間に」
「僕は見回りですよ。レイブンさんこそどうしたんです?」
そういってフレンちゃんは横に座った。
「ちょっとね、考えごとしてたのよ」
「考え事ですか?」
「そ。青年と前に話したことを思い出してね」
「ユーリとですか」
うなずいた後、遠くを見ながら話始めた。
「青年とね、ミョルゾに行く前に話しをしたのよ。青年たちと旅してるのが楽しいって」
フレンちゃんは何も話さずただ、ただ、話を聞いていた。
「でも、そのときの俺様ってさ。生きる意味も希望も何もなかったのよ。死んでもいいって思ってた」
「・・・・」
「だから、アレクセイのいうとおりに生きてきたのよね」
少しの間、沈黙が続いたが先に口を開いたのはフレンちゃんだった。
「今は・・・今のレイブンさんはどうなんですか?」
「今はね・・・心の底から生きたいって思ってるわよ。だって、青年たちと過ごすことが楽しいからね」
笑って笑顔で話す。
「少年の成長を見て、譲ちゃんの無鉄砲ぶりに振り回されて、リタっちに怒られて、ジュディちゃんに笑われて、パティちゃんと遊んで、青年にいろいろ言われて、フレンちゃんと話して・・・こうやってみんなと居れる今がおっさんめちゃくちゃ楽しいのよ」
「そうやって・・・楽しいと思えることがあるのはとてもいいことだと思いますよ」
「ありがとうね。それに、おっさん青年に救われちゃったからね」
「僕もユーリには救われてばかりですよ」
2人して自嘲気味に笑う。
「今は凛々の明星におっさんの命はあるからね。簡単には死ねないわ」
「ふふっ、そうですね」
「死んだら、青年にも少年にもリタっちにも・・・みんなに怒られてまた殴られるわ」
フレンちゃんが笑ったのでつられて笑ってしまった。

そう、今は簡単に死ねない。
アレクセイのもとにいたときの俺様はもういない。
生きる意味も希望も見つけた。



生きる意味、それは凛々の明星に命を預けてみんなとの毎日を、今を楽しむこと



生きる希望、それはみんなと信頼し背中を預けあうこと


そうすることで俺様は
これからも生き続けることが出来る。


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