稲妻

□ドキドキと安心と
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風緑のこれからの派生ですが見なくても読めます。
FFI終了して帰国して吹雪がヒロトの家に泊まる話。

「ただいま」

そう言って家のドアを開けると中から姉さんが出迎えてくれた。

「お帰りなさい、ヒロト」
「ただいま、姉さん」
「ヒロト、後ろにいるのは・・・」
「お久しぶりです。瞳子監督」
「久しぶりね、吹雪くん」
「姉さん、今日と明日と吹雪くん泊めてもいい?」
「ヒロトくん、明日もは流石に悪いよ・・・」
「大丈夫だって、いいでしょ姉さん」
「ええ、もちろんよ」

姉さんは優しく笑った。家に上がり、俺の部屋に荷物を置いて皆が基本的に集まる居間に行った。

「よお」
「久しぶりだな、ヒロト」

行くとそこには我が物顔で座っている晴矢と風介が居た。吹雪くんは俺の後ろから二人を見てる。

「何で二人がいるの」
「何でって・・・」
「貴様を仕方ないから祝いに来たんだ」
「仕方ないからって・・・」
「つかお前の後ろ、何で居るんだ?」
「あ、えっと・・・こんにちは」

急に自分のことを言われて驚いたのか吹雪くんはどもりながら挨拶をした。そんな姿に可愛いな、とか思っていたら風介にティッシュを丸めたやつを投げられた。

「何?」
「イラッとしただけだ。貴様のにやけ面にな」
「風介さっきから理不尽じゃないかな?」
「つーか、ヒロトー。こいつ何でいんだよ」
「こいつじゃなくで吹雪士郎くんね」
「わかったから何で?」
「今日と明日とうちに泊めるから」
「何だそれは・・・初耳だぞ」
「姉さんから聞いてないの?」
「あら、ごめんなさい。言ってなかったみたいね」
「全く、姉さん・・・」

姉さんに呆れているとくん、と服の裾を引っ張られた。吹雪くんを見ると困ったようなだけど照れているような顔をした。あぁ、そう言えばと思って改めて姉さんを見る。

「姉さん」
「何かしら、ヒロト」
「あのね、俺吹雪くんと恋人として付き合ってるんだ」
「なっ・・・!!」
「・・・」
「そうなの・・・おめでとう」
「ありがとう」
「ありがとうございます」

吹雪くんは頬を紅く染めながらふにゃっと笑った。それにしても、姉さんが驚きもしなかったことに驚いた。晴矢と風介は凄く驚いてたみたいだけど。

「それにしても、何で姉さん驚かないの?」
「貴方がそういう目で彼を見ていたのは知っていたしココにも貴方みたいな人種が居るわ」

そういって姉さんは晴矢と風介を指差した。

「悪かったな。そういう人種で」
「晴矢、謝る必要はない」
「それにリュウジも風丸くんとできてるみたいだからもう慣れたわ」

姉さんは普通は馴れないことに馴れてしまったらしい。

「瞳子監督、何かカッコいいね」
「確かにね」

その後、晴矢と風介が喧嘩して俺が止めて姉さんと吹雪くんはお話をしてそれでみんなで夕飯を食べてお風呂に入ったらあっというまに1日が終わりを迎えようとしていた。俺の部屋に布団を二組敷いて吹雪くんとならんで寝ようとしていた。

「吹雪くん、晴矢と風介が騒がしくてゴメンね」
「ううん、僕楽しかったよ」「そう?ならよかった・・・」
「・・・ねえ、ヒロトくん」「何?」
「ヒロトくんの布団で一緒に寝てもいい?」
「いいよ、おいで」

布団を持ち上げると吹雪くんが入ってきて俺に引っ付いて丸まった。俺より少し小柄な吹雪くんは凄く抱き締めやすい。吹雪くんの髪に顔を埋めるとシャンプーのいい匂いがした。

「暖かい・・・」
「そうだね」
「誰かと一緒の布団で寝るのなんて何年ぶりだろう・・・」
「一緒に寝れて嬉しい?」
「うん・・・うれ・・・し・・ぃ」
「吹雪くん?」

吹雪くんは寝てしまったらしく幸せそうな顔をしている。

「寝ちゃったか・・・明日も一緒に寝ようね」

そう呟いて吹雪くんの髪に触れるだけのキスをし目を閉じた。


『ドキドキと安心と』
(誰かが側に居るだけでこんなにも安心できるんだね)



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